Pythonの繰り返し構造:for
ループ
Pythonのfor
ループは、指定した範囲やシーケンス(リスト、タプル、文字列など)の要素を順番に取り出して処理を繰り返すための構造です。for
ループを使うと、反復処理を簡単に実装することができます。この記事では、Pythonのfor
ループの基本的な使い方と、応用的な使用方法について解説します。
for
ループの基本構造
for
ループは、リストやタプル、文字列などのシーケンスを順に処理するために使用されます。各要素に対して処理を行うので、要素の数だけループが繰り返されます。
for
ループの基本例
# forループの基本例
fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
for fruit in fruits:
print(fruit)
このコードでは、fruits
リストの各要素に対してfruit
という変数が順番に設定され、リスト内のすべての果物が表示されます。結果として、「apple」、「banana」、「cherry」が順に出力されます。
range()
関数を使ったfor
ループ
range()
関数を使うと、指定した範囲内の整数を生成し、その範囲内でfor
ループを実行することができます。これにより、リストや文字列以外の範囲でもループを行うことが可能です。
range()
を使ったfor
ループの例
# range()を使ったforループ
for i in range(5):
print(i)
このコードでは、0
から4
までの整数が順番に表示されます。range(5)
は、0
から4
までの整数を生成するためです。
インデックスを使ったfor
ループ
リストや文字列のインデックスを使って、for
ループを実行することもできます。これにより、要素の順序や位置を利用した処理が可能になります。
インデックスを使ったfor
ループの例
# インデックスを使ったforループ
fruits = ["apple", "banana", "cherry"]
for i in range(len(fruits)):
print(f"インデックス {i}: {fruits[i]}")
このコードでは、len(fruits)
でリストの長さを取得し、その範囲内でインデックスi
を使って各要素にアクセスしています。結果として、「インデックス 0: apple」、「インデックス 1: banana」、「インデックス 2: cherry」が出力されます。
ネストされたfor
ループ
Pythonでは、for
ループをネスト(入れ子)にすることができます。これにより、複数のリストやシーケンスを組み合わせて処理することが可能です。
ネストされたfor
ループの例
# ネストされたforループ
numbers = [1, 2, 3]
letters = ['A', 'B', 'C']
for number in numbers:
for letter in letters:
print(f"{number}{letter}")
このコードでは、numbers
リストの各要素に対して、letters
リストの全要素が組み合わされて出力されます。結果として、「1A」、「1B」、「1C」、「2A」、「2B」、「2C」、「3A」、「3B」、「3C」が順に出力されます。
ループ制御のためのbreak
とcontinue
文
for
ループの中でbreak
文を使用すると、ループを強制的に終了させることができます。また、continue
文を使用すると、ループの現在の繰り返しを中断し、次の繰り返しに進むことができます。
break
とcontinue
文の例
# breakとcontinueの例
for i in range(10):
if i == 5:
break # ループを終了
if i % 2 == 0:
continue # 偶数の場合はスキップ
print(i)
このコードでは、i
が5
になるとbreak
文が実行され、ループが終了します。また、i
が偶数の場合はcontinue
文によってスキップされます。結果として、「1」、「3」が表示されます。
リスト内包表記を使った繰り返し処理
Pythonには、リスト内包表記(リストコンプリヘンション)というシンプルな構文を使って、for
ループを1行で記述する方法があります。これにより、リストの生成や処理を簡潔に表現できます。
リスト内包表記の例
# リスト内包表記の例
squares = [x**2 for x in range(10)]
print(squares)
このコードでは、0
から9
までの整数の二乗を計算し、それらをリストとして生成しています。結果として、[0, 1, 4, 9, 16, 25, 36, 49, 64, 81]
が出力されます。
まとめ
Pythonのfor
ループは、シーケンスや範囲内の要素を順に処理するための強力なツールです。for
ループを使うことで、リストや文字列、範囲を簡単に繰り返し処理することができます。また、break
やcontinue
を使ったループの制御や、リスト内包表記を使ったシンプルな表現方法も非常に有効です。これらの技術を活用することで、Pythonプログラミングの効率と柔軟性を高めることができます。
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